6.通貨分散の意義と問題点

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  6. 通貨分散の意義と問題点
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通貨分散とは

 日本円以外にも、いろいろな外貨を保有することです。

 特に、
 FX(外国為替証拠金取引)では
 一つの通貨ペアに投資するだけでなく
 複数の通貨ペアに投資することを指します。

 このページでは
 FX(外国為替証拠金取引)における通貨分散、
 すなわち
 複数の通貨ペアに投資する方法の意義と問題点について述べたいと思います。

通貨分散の意義

 通貨分散する意義とは何でしょうか。

   @為替変動リスクを小さくする
   A金利リスクを小さくする
   B日本不況リスクの効果を高める
   C円安リスクの効果を高める

 この4つが考えられます。
 それぞれを簡単に説明します。

@為替変動リスクを小さくする
 相関関係を調べて、逆相関のある通貨ペアを組ませることで、為替変動率を小さくすることができます。

 たとえば、『豪ドル/円』と『米ドル/カナダドル』
 の相関係数は−0.90の高い逆相関が見られます。

 −0.90ということは、
 ほぼ逆に動くということです。
 『豪ドル/円』が上がれば、『米ドル/カナダドル』が下がるということ。

 つまり
 この二つを組ませておけば
 為替変動は、ほとんど気にする必要がありません。
 レバレッジ20倍で、運用しても大丈夫です。

 スワップ金利は、それぞれ
 『豪ドル/円』 180円
 『米ドル/カナダドル』 −43円
 合計 137円

 1万通貨づつ保有すると
 137円×365日=50005円

 レバレッジ20倍の1万通貨の金額は
 『豪ドル/円』 5万円
 『米ドル/カナダドル』 5.5万円
 合計 10.5万円

 105000円預けておくと、年利50005円に。
 実に、年率47.6%

 という計算ができます。
 「そんないい方法があるなんて、やらないのがバカだ」という話になるでしょう。
 ところが、そんなに計算どおりにはいきません。

 しかし、おおよそ、このような効果を狙うわけです。

A金利リスクを小さくする
 金利リスクを小さくする効果があります。

 例えば
 A.『豪ドル/円』だけの保有
 B.『豪ドル/円』と『米ドル/円』の複数保有
 を考えてみます。

 『豪ドル/円』のスワップ金利が下がってしまった、とします。

 A.『豪ドル/円』だけの場合、
 『豪ドル/円』を決済するか、我慢して保有するか、悩む事になります。
 ところが
 B..『豪ドル/円』と『米ドル/円』の複数保有の場合
 『米ドル/円』のスワップ金利が上がるかもしれません。
 (もちろん、一緒に下がるかもしれませんが)
 決済せずに、運用継続できる可能性が高まります。

B日本不況リスクの効果を高める
 外貨投資には
 日本経済が不況のとき
 資産価値を落とさず、さらに増やそうという狙いがあるわけです。

 米国も、日本と同時に不況になる場合もあるでしょう。
 このとき
 『米ドル/円』だけしか分散していないとすると
 不況リスク回避の効果が得られません。

C円安リスクの効果を高める
 外貨投資には
 円安のときのインフレ予防策でもあります。

 日本はいろいろな国から輸入しています。
 米ドル/円だけでなく
 豪ドル/円なども保有しておくほうが、分散効果を得られるとになります。


 分散投資は、資産クラスだけでなく
 通貨ペアも分散しておく方が、いろいろな意味で効果的です。

 通貨分散は
 特に、@の為替リスクへの対応策として用いられることが多いようです。

 次に、問題点を指摘してみましょう。

通貨分散の問題点

 通貨分散の問題点は
   @リスク管理が複雑になる
   A情報収集することが増える
   Bスワップ金利益が減る可能性がある
   Cロスカットレートの把握が難しい

 簡単に説明します。

@リスク管理が複雑になる
 相関係数は、変化するので
 1年前までは、逆相関が、−0.90あっても
 今調べてみたら、−0.25くらいになっているということもあります。

 しかも、大事件が起こり、ボラティリティが大きく変動した際に
 逆相関があれば、大丈夫だという過信が、損失を生みます。

 例えば、サブプライム問題発覚直後、おおきく為替レートは変動しました。

 南アフリカランド/円と米ドル/円は、逆相関(−0.20)がありました。
 ところが、サブプラム問題で大揺れの2008年1月〜3月では、正の相関(0.91)が見られたのです。

 逆相関があるから、為替変動が大きくなっても大丈夫だという考えは通用しません。

 一番肝心な、
 大事件直後にこそ、
 逆に動いて、為替リスクを減らしたいのですが
 実際には、同じ方向に動く可能性があります。

 よって、
 通貨分散しても
   ・レバレッジは低くしておく必要がある
   ・こまめに、相関係数を把握しておく必要がある
 ということです。

A情報収集することが増える

 金利リスクについても
 分散した通貨ペア全てのスワップ金利が低くなる可能性もあります。
 そうなったときの対応を考えると、
 かなり、煩雑な気持ちになります。

 決済するとなると、為替リスクの影響を受けます。
 分散した通貨ペアが、為替差損を受けずにうまく決済できるのでしょうか。

 金利動向を調べるだけでも
 3つに分散すれば
 3倍に増えることになります。

Bスワップ金利益が減る可能性がある
 先ほどの「意義」の説明で
 『豪ドル/円』 180円
 『米ドル/カナダドル』 −43円
 合計 137円
 とスワップ金利の例をあげました。

 もし
 レバレッジを2倍で運用するなら
 『豪ドル/円』 50万円
 『米ドル/カナダドル』 55万円
 合計 105万円
 運用資金105万円 137円/日 運用率4.7%

 豪ドル/円だけの場合
 運用資金50万円 180円/日 運用率13.1%

 となります。

 レバレッジを上げることができないならば
 通貨分散した場合、運用率が下がる可能性があるのです。

Cロスカットレートの把握が難しい
 一つの口座に、複数の通貨ペアを保有していると
 ロスカットレートの計算が複雑になります。

 『豪ドル/円』が、3円下がって
 『米ドル/カナダドル』が、0.002カナダドル下がったとすると
 後、いくら下がるとロスカットになるのでしょうか。

 その後、『豪ドル/円』だけが、10円下がって
 『米ドル/カナダドル』が0.002カナダドル上がることもあるでしょう。

 つまり
 『豪ドル/円』だけの動きでは計算できないし
 『米ドル/カナダドル』の動きだけでも計算できません。

 これが、3つの通貨ペアとなると
 私の頭ではお手上げです。(*^_^*)

 相場の動きがどうなれば、ロスカットされない状況なのか、状況把握が難しいのです。

 そうならないためには
 2つの方法が考えられます。
   ・ロスカットを考えなくてよい、低レバレッジで運用
   ・1口座1通貨ペアで運用


 通貨分散は
 レバレッジの設定が難しく、
 結局、低レバレッジでの運用が求められます。

 ただし
 日本不況リスクや、円安リスクを回避するには
 通貨分散の意義は大きいと思われます。


 そこで、通貨ペアの選び方と分散方法について
 次のページで説明します。


   1.FX(外国為替証拠金取引)はハイリスクか?
   2.FX(外国為替証拠金取引)の期待リターンは?
   3.スワップ金利とは
   4.金利リスクに注意
   5.FX(外国為替証拠金取引)の使い方
   6.通貨分散の意義と問題点
7.通貨ペアの選び方


FXの正しい使い方年利20%の資産運用-スワップ金利で皮算用

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